「裸卒業コンパ」とは、韓国ソウル市内の中学校を中心に、卒業式後に行われる“打ち上げ”のようなもの。もともとは、卒業生たちが小麦粉や生卵などをぶつ け合い、その後制服をビリビリに破く程度のものだったが、それがいつしかエスカレートし全裸に近い状態で街中を歩いたり、川や海へ飛び込んだりするという 乱痴気騒ぎにまで発展した。しかも男性生徒だけでなく、女子生徒も裸になるというのだから驚きだ。
韓国での卒業式シーズンである2月になると、毎年のようにネットを賑わす裸コンパの話題は、日本のニュースサイトやブログメディアで取り上げられる機会も 多い。日本のネットユーザーにしてみれば「珍奇な行事」と見えているようだが、韓国では決してそんな軽い問題としては扱われていない。
というのも、「裸卒業コンパ」には集団いじめの側面があるのだ。同じ中学を卒業した先輩たちが、卒業生たちを強制的に裸コンパに参加させ、無理やり服を引 き裂き裸の姿を写真を撮ってネットなどに流しているケースが少なくないという。このような裸コンパが「俺たちもやられたんだから、後輩のお前らもやれ」と いう思考回路のもとに毎年受け継がれ、悪しき慣例行事としてエスカレートしていったわけだ。
韓国の警察は裸コンパを暴力事件として調査しているというが、その一方で「単なる思い出づくり」として自ら喜んで裸になっている卒業生たちもいるというの だから話はややこしい。また、韓国の様々な情報を発信するinnolife.netによると、イ・ミョンバク大統領は裸コンパに対し「学校内の問題という だけでなく、韓国社会全体の問題だ」としながらも、警察による介入には否定的で、学校側と生徒間で解決を求めている。
いずれにしても、「珍奇な行事」では片付けられないこの現象。日本にも同じような現象として「荒れる成人式」があることを考えると、決して対岸の火事ではないのかもしれない。
